(1)次期プロフェッショナルドクターはどのようになるのか
次期プロフェッショナルドクターは内部では通称としてProdoc21と呼ばれています。
次期プロフェッショナルドクターでは従来のデスクトップデータベースに変わって、スケーラブルなSQLベースのデータベースを使用します。
なぜそのようにするのかということについてですが、
過去5年間でクリニックに電子カルテが入り込みコンピュータ化が進み始めました。
今後クリニックなど医療機関は一般的な企業以上にコンピュータ抜きでは仕事が始まらないし、能率も上がらないという状況になります。
また当然使用するコンピュータ数も飛躍的に増加します。
そのような体制の中で重要なのは堅固なデータベースと迅速処理の可能なアプリケーションです。
従来そのようなSQLベースのデータベースを使用してオーダーメイドでシステムを構築するには数千万円の費用がかかり現実的ではありませんでした。
しかし、昨今ではハードの値段も下がり、ソフトウエア自体が安価になってきています。
とはいえ、中小の医療機関ではSQLベースのデータベースを使用して個別にオーダーメイドでシステムを構築するには費用の点で無理があります。
日医のORCA計画もはじまりましたが、出来た内容は現時点ではお粗末としかいえないようです。おそらく、SQLベースでは無理でしょう。
またはじめからLinuxだけというのは現状を見ても無理があります。
そのような今後の状況を見越して、プロフェッショナルドクターは中小の医療機関が安価にシステムを構築できるようにパッケージとしてSQLベースデータベースを使用したシステムを送り出すということにしました。
時期については未定ですが次回の保険制度改定の後の落ち着いた状況の時期になる予定です。
医療機関ごとにほしい機能があってその辺の対応をどのようにするか(ー現行はソースを公開しユーザーが自由にカスタマイズ可能)という問題も残されていますがこれは何らかの形で解決したいと考えています。
またレセプトは最初から磁気レセプト対応のみになります。
(2)Prodoc21の稼動環境・データベース
Prodoc21の稼動環境は当面Windows NT、2000ということになりそうです。
それ以後のステップとして、データベースをLinux上でも稼動させることも可能にします。
ユーザーの先生から、データベースとしてはOracleは高すぎる、SQLServerにしてほしいというご要望がありました。稼動環境とデータベースは密接に関係していますが、次期Prodoc21ではデータベースはInterBaseを使用することになりました。
米国国防総省が採用している通り、過酷な環境の中で稼動するデータベースで,全世界で100万本以上販売された実績のあるデータベースです。
なぜか日本では無名に近いSQLデータベースですが、最近ではいろいろな会社で採用されるようになりました。
インストールは簡単でデータベース作成もすぐに可能です。SQLデータベースとして必要十分な機能をフル装備しています。
電源が切れたような場合でも再起動すれば自動的にトランザクションをロールバックして、自動修復して立ち上がる、まさに戦場で使用するためのタフなデータベースです。
電源が切れたなどの緊急事態時にバックアップデータからの復旧に時間がかかってしまってはどうにもなりません。
電源が普及したらすぐそのまま立ち上がるデータベースでなければ戦場と化すことのある医療機関では通用しません。
また、専用のデータベースのシステム管理者が不要です。
ということは、ほったらかしでも黙って動く、という頼れるデータベースです。
(3)InterBaseとは何か
InterBaseはもともとUNIX上で稼動するデータベースでしたが、現在Windows、Linux,各種UNIX上で稼動し、同じデータベースを構造を変えることなく異なるプラットフォーム上で稼動させることができるという特長があります。
ですから今日NT Server上にあるInterBaseを、そのまま明日からLinux上で稼動させる、ということが可能です。
このため、Windows上で開発した電子カルテのデータであってもそのまますぐに構造を変更することなく、Linux上に移行が可能になります。
InterBaseの特長をさらに列挙してみましょう。
システムの必要とするデイスク容量・メモリーの必要量が小さい。
大量のデータを処理する場合のパフォーマンスが優れている。
驚くべきことに過去15年間に渡りInterBaseにはほとんどトラブルがない(世界的に有名なDelphiエキスパート、Mastering Delphi4,Mastering Delphi6の著者マルコ・カントゥ氏)
もっとも重要なことはソースが公開されているということです。これがInterBaseを使用する決定的な要因になりました。
InterBaseは現在Borland社に統合されて販売されています。
InterBaseの採用企業を列挙してみましょう
City of New York
First National Bank of Chicago
Philadelphia Stock Exchange
US Army
エリクソン社
日本ではANAグループ、
ソニーテクトロニクスなどです。
履歴型アーキテクチャーの採用によりパフォーマンスにすぐれており、
インストールや管理が簡単で、インストール後、ユーザーエリア・テンポラリーエリアの作成などに時間が取られずにすぐにデータベースを作成したり、稼動ができるという特長があります。
過酷な環境の中で鍛えられてきたので、打たれ強くタフです。
またInterBase自身がチューニングを行うので面倒なチューニング不要です。
詳しくは,
Borland InterBase
を参照してください。
当社はこのようなInterBaseの優れた特長を生かすために電子カルテのほか文書管理データベースシステムなど、業務上必要なデータベースシステムを順次開発する予定です。